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第23回認知症に関する研修会 受講生募集のご案内

 第23回を迎える本年度の標記研修会は11月24日、25日の二日間、JALシティ田町で行います。

 わが国が迎える高齢化社会について色々な議論が始まってすでに長い年月がたちました。
残念ながら、認知症のなかにあっての精神科医療の位置付けは矮小化されています。これは従来から存在する精神科医療に対する誤解だけではなく、欧米追随のアカデミズムやマスコミが宗教、死生観、家族観や生活様式が異なる欧米のあり方を最上のものと無批判に受け入れていることも一因と考えられます。
 日本は、先進国であって国民皆保険があり、介護保険も整備されています。精神科、神経内科、老年科が専門医として役割を期待され、特に認知症における精神科医療が医療保険のなかできちんと位置付けられているわが国は認知症においてトップランナーであります。
 しかし、欧米型の認知症ケアのイメージが先行し、認知症における医療の役割が曖昧となり、医療がケアに擦り寄っている悲しむべき状況があります。現在、切り札のように言われている地域連携や多職種連携についてもそういったイメージ先行のきらいがあり、折角集まった各領域の専門家が同じような視点で行動するため却ってその専門性が発揮できずにいます。
 では専門医とはなんでしょうか?欧米では巨大な産学共同体がワクチンを始めとした認知症治療薬の開発レースが過熱気味でその分野に多くの人材が割かれており、分厚い認知症研究者と認知症ケアの専門家の狭間で認知症の臨床を診療する「臨床専門医」はわが国に比べて層が薄いように思われます。
 精神科の「認知症臨床専門医」は精神症状をはじめ臨床心理、神経心理、脳病理、睡眠等を専門分野としており、精神保健福祉にも対応できる領域の専門家です。認知症患者の医療福祉には大きな役割を果たすことができます。
 この研修会はこうした「認知症臨床専門医」のスキルアップを図るため、我が国における第一級の講師陣を招いて大変幅広く、中身の濃い、実践的な研修会を行っております。毎年、好評をいただいており、毎年受講される「リピーター」も大勢いらっしゃいます。
 今年度も奮って参加いただきますようご案内申し上げます。
 
▼詳細は⇒認知症に関する研修会(日精協ホームページ)

高齢者医療・介護保険委員会担当理事
田口真源