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災害派遣精神医療チーム(DPAT)事務局事業受託

 

 

 日精協では平成27年より厚生労働省から受託している災害派遣精神医療チーム(Disaster Psychiatric Assistance Team、以下DPATと略す)事務局業務を今年度も継続して受託することとなりました。DPATの活動に関する業務の中核としての機能をより一層向上させてまいります。

 大規模自然災害そして事故・事件等の発生時においては、被災地における医療機関への被災地以外からの支援が必要となります。また避難所における精神医療ニーズのアセスメント、認知症患者への対応、精神科病院等の精神障害者関連施設からの避難、その後のストレスケア、他医療・保健チームや行政との連携等、多岐に亘るニーズが想定されます。このため、精神科医師、看護師、事務職員等で構成するDPATを迅速かつ円滑に派遣し、ニーズに応じた人数の配置と活動を効率的に行い、また継続的に実施する必要があります。

 当協会では課題とされる人材育成、事前準備をはじめとする機能強化を目標に、平時より技術的支援、情報提供、DPAT活動手法の開発と検討、行政機関・関係団体等との円滑な連携体制の構築と発災時の初動体制を強化し、DAPTから地域保健に移行する際にも必要な役割を果たせるようDPAT活動のガバナンス向上を図ってまいります。

 また、令和4年3月29日付けにて「災害派遣精神医療チーム(DPAT)活動要領」が一部改正されました。これまでの災害におけるDPAT活動の課題およびDPAT体制整備状況から、より迅速且つ効率的に質の高い支援を行う体制を確保するため、DPAT活動の初動および終結に関する項目並びにDPAT体制整備主体等について改正や、専門外の者が目にしても理解できるよう新たに用語の定義が記載されております。主な改正事項は下記になります。

(主な改正事項)
① DPAT都道府県調整本部の運営人員として、DPAT先遣隊がその機能を担うことを追記
② DPAT統括者の要件に、DPAT統括・事務担当者研修を受講することを追記
③ DPATの派遣要請を検討する目安を追記
④ DPAT活動の引継ぎを考慮し、精神保健福祉センターと初動から連携を行うことを追記
⑤ DPAT先遣隊隊員の登録更新要件として、DPAT先遣隊隊員技能維持研修を受講することを追記
⑥ 研修の運営サポート、都道府県のDPAT体制整備、災害時の被災地支援等を行うDPATインストラクターの定義等を追記
⑦ 都道府県DPAT運営委員会を都道府県が設置・開催することを明記
⑧ DPATの整備主体が都道府県であることを考慮し、都道府県に政令市が含まれないことを明記

 いつ発生するかわからない災害、だからこそ全国に会員病院を持つ日精協は、過去6年間のDAPT事務局業務で培われた経験と知識を礎に、そして新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、新興感染症への対応は今後検討せざるを得ない項目と認識し、さらに充実した業務を展開してまいります。

(副会長 野木 渡)