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令和3年度老人保健健康増進等事業 「精神科病院の外来診療・相談事業の効果的な活用による地域における認知症対応力の向上に向けた調査研究事業(98番)」報告

 認知症の地域包括ケアパス実現のためには、認知症医療を行っている精神病床を有する全国の病院(1,617病院)と地域社会資源の連携に関する実態調査を行うことが極めて重要であると考えました。各医療機関へのアンケート調査を実施、さらに認知症医療に積極的に取り組んでいる医療機関へのヒアリングを行うことが出来ました。

 

(まとめ)

  1. 全国の精神科病院の半数以上において認知症の専門医、認知症サポート医が常勤医として在籍していました。8割を超す精神科病院では、すでに相談機能を有し、精神保健福祉士(PSW)、精神科看護師等が中心となり地域連携室等で実施されていました。専門の多職種により患者・家族の相談支援が行われ、地域包括支援センターや社会福祉協議会等への連携も積極的であり、他科にはない精神科の大きな特徴の一つでありました。
  2. 認知症疾患医療センター(以後「センター」と呼ぶ)の指定のない精神科病院においては一般病院やセンターからの入院依頼が約7割以上にみられました。精神症状や問題行動(BPSD)の激しい症状がある場合は、民間の精神科病院に入院を依頼するという道筋が構築されていました。
  3. BPSDにより仮に入院になったとしても、入院期間は3カ月以内が約4割であり多職種による積極的な退院支援が行われていました。また、退院後の支援においてもケアマネジャーやかかりつけ医を介し、継続されていることが分かりました。

 行政による住民への広報といった点ではセンターは大きな役割を果たしていますが、治療を行う上ではセンターの指定の有無に大きな違いはありませんでした。また、診断後支援は精神科病院では通常の認知症診療として行われていました。地域の社会資源との密な連携を行い認知症の長い経過を本人、家族、周囲の人と協力して実践していくことが出来るのは精神科医です。地域包括支援センター・ケアマネジャーとPSW等の連携体制を構築することは今後さらに重要であります。

「補助金事業(テーマ番号98)」のページへ
(常務理事 渕野勝弘)
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