NEWS お知らせ

日本精神科医学会 認定精神科医療安全士が誕生しました

 令和3年6月、1,288名の精神科医療安全士が誕生しました。
 日本精神科病院協会(日精協)は、日常の医療・介護の現場では、入院・外来・在宅を問わず、暴力問題の発生は避けて通れぬものであることを認識し、これまで長期にわたって安心安全な医療を提供する取組をしてきました。
 会員病院は暴力問題に関して施設の構造の改善、看護職を中心に包括的暴力防止プログラムに参加させるなど職員個々の能力向上をはかるとともに、安全確保マニュアルを作成し、病院組織をあげて暴力問題の軽減、改善に取り組んできました。
 その上で平成26年に会員病院での暴力実態調査を行ったところ、患者―患者間、患者―職員間、いずれにおいても憂慮すべき状況にあることが改めて明らかとなり、一層の改善努力が必要とし、直に行動することが求められました。
 暴力が発生するメカニズムや、如何に早期に察知して未然に回避するか、その際どのような行動をとることができるかを体系的、具体的に学んだ人材を全職種にわたって出来るだけ多数、継続的に養成することを計画しました。
 日精協には半世紀をこえる実績のある日精協通信教育があり、それを全職員に提供、初心者には精神科医療の歴史、あるべき姿などを学んでもらい、経験者にはそれぞれの職種に応じてより専門的にスキルアップできるように支援するとともに、厚生労働省と協議を重ね、精神科医療体制確保研修(精神科病院における安心・安全な医療を提供する為の研修)を平成28年から、毎年3、4回全国で開催してきました。
 これらの勉学、研修、実務経験を重ねた上で挑戦する資格として、日本精神科医学会認定資格、認定精神科医療安全士を創設しました。
 医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、介護福祉士、公認心理師、薬剤師、事務職等、精神科病院及び関連施設で働く多くの職種の方が資格を取得し、今後もさらに多くの方が同資格を目指し、精神科病院の現場でその力を発揮して、安心安全な精神科医療を提供することに寄与して下さることが期待されます。

(常務理事 岡本 呉賦)