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令和3年度(2021年度)介護報酬改定について

 団塊の世代すべてが75歳以上となる2025年、団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年を見据え、2021年度の改定率は、介護人材の確保、処遇改善に配慮しつつ、物価動向による物件費への影響など介護事業者の経営をめぐる状況等を踏まえ、+0.70%となりました。

 この0.70%のうち0.05%相当分は、2021年9月末までの間、新型コロナウイルス感染症に対応するための報酬に対する特例的な評価に活用することとされています。介護報酬改定に関する主な内容として、「感染症や災害への対応力強化」を柱の一つとして掲げています。他の4つの柱には、「地域包括ケアシステムの推進」、「自立支援・重度化防止の取組の推進」、「介護人材確保・介護現場の革新」、「制度の安定性・持続可能性の確保」があります。基本的には前回の改定と同様のものを掲げています。

 「感染症や災害への対応力強化」では、3年間の経過措置を設定しつつ、すべての事業者に業務継続に向けた取組みの強化を図るためのBCP(事業継続)計画の策定を義務付ける予定です。「地域包括ケアシステムの推進」では、訪問型サービスにおける認知症専門ケア加算の創設、看取りへの対応の充実、ケアマネジメントの質の向上と公正中立性の確保を行います。「自立支援・重度化防止の取組の推進」では、リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の取組みの連携の強化等推進し、CHASE(科学的介護データベース)へのデータ提出とフィードバックの活用によるPDCAサイクル、ケアの質の向上の取組みを推進します。「介護人材の確保・介護現場の革新」では、特定処遇改善加算の配分ルールの弾力化等による処遇改善や見守り機器等のテクノロジーの活用や人員運営基準の緩和を通じた業務効率化・負担軽減の推進を行います。「制度の安定性・持続可能性の確保」では、介護療養型医療施設について2023年度末の廃止までに介護医療院へ移行を進めるため基本報酬を見直します。また、介護医療院の移行定着支援加算は廃止になります。

 この他、介護保険施設におけるリスクマネジメントの推進、虐待防止の取組み義務、食費の基準費用額の見直しが行われます。

(常務理事 渕野勝弘)