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新型コロナウイルス禍における自殺対策に関する要望について

 わが国では長年にわたり自殺者の多さが問題となっており、平成10年より連続14年間、毎年3万人を超える状態が続いていました。この状況に対処するため、平成18年に自殺対策基本法が制定され、平成28年には都道府県並びに市町村においても、自殺対策計画の策定が義務づけられることとなりました。更に平成29年には自殺総合対策大綱が閣議決定され当面の重点施策が示されました。

 同時に日精協会員病院が地方公共団体・関係団体・民間団体等と連携し自殺対策の推進を行って参りました。厚生労働省の人口動態統計によると、平成24年には自殺者数が3万人以下となり、平成30年には2万1000人を下回るまでの減少傾向にありました。

 令和2年1月から6月までも対前年比で減少していましたが、新型コロナウイルス感染症対策のための最初の緊急事態宣言が発出されて以降の令和2年7月頃より例年の数を急に上回るようになり、10月には女性の自殺者数が昨年の倍近くまで増加しました。

日精協としてはその原因のひとつは新型コロナウイルス蔓延禍において、感染リスクを回避するための医療機関への受診抑制の顕在化ではないかと考え、精神的な不調に関して早期に治療介入できるような体制整備を厚生労働省に要望致しました。

(副会長 野木渡)