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2020年 山崎会長 新春挨拶

新年明けましておめでとうございます。昨年は令和という新時代が幕開けし、本年は東京オリンピック・パラリンピックが行われ、忙しい1年になります。
国外に目を向けると米中の貿易摩擦、中東に長年くすぶっている宗教対立、中国の中華思想による覇権主義の行方と緊張状態が続いています。国内では少子高齢化が進み、医療・介護・年金・子育て・生活保護といった社会保障費が急速に膨らんでいます。高齢化問題では第1次ベビーブーマーが後期高齢者を迎える2025年問題だけが注目されていますが、国民人口が1億人を切り、第2次ベビーブーマーが後期高齢者になる2048年問題の方がはるかに深刻な気がします。医療・介護・年金といった社会保障費は国民負担の追加、給付制限の両方をうまく舵取りをして長期に向けて安定した制度維持を図る必要に迫られています。これを受けて政府は全世代型社会保障検討会議を招集して検討を進めています。検討されている項目は ①受診回数抑制のための受診時定額負担制度 ②感冒薬、漢方、花粉症薬、湿布剤等の薬局で購入できる薬剤の保険給付から除外 ③国民年金・厚生年金の統合 ④保険証機能をマイナンバーカードに連結 ⑤後期高齢者の負担を2割に引き上げ ⑥週20時間以上月8万円以上の非常勤職員の健康保険加入 といった案が検討されています。100歳人生を謳いながら、長生きすると社会保障費を圧迫すると言った矛盾とどのような折り合いを付けていくのかと思いながら新春を迎えました。
日本精神科病院協会は今年も精神障害者を取り巻く偏見と戦いながら、より良い地域精神科医療体制の構築に頑張っていきます。

(日本精神科病院協会 会長 山崎學)