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精神科医のための身体合併症講習会スタンダードコース開催報告

 平成30年10月3日、長野市のホクト文化ホールにおいて"精神科医のための身体合併症講習会スタンダードコース"を開催した。

 精神科医のための身体合併症講習会は平成25年より継続してきたが、その発端は、日精協が平成24年に上梓した"将来ビジョン戦略会議報告書 我々の描く精神医療の将来ビジョン 2012"に始まる。その中で身体合併症検討チームは、行政や身体科医への要望と同時に我が国の精神科病院を取り巻く環境下、精神科医は、医師である以上自院入院患者の身体合併症への初期対応、common diseaseへの対応が必要であることを指摘した。その上で日精協として何が出来るかを検討し、身体疾患の専門的な知識や技術の習得ではなく、あくまでも精神科医が自院において実現可能な内容の講習会を企画し、第2回精神科医学会(平成25年度)の中で開催した。幸い好評を博したため平成26年度以降は、日本精神科医学会期間中にはコ・メディカルも参加可能な内容での講習会をスタンダードコースとして、更に対象を精神科医に対象を絞り、少人数制で実習や受講者参加型の形式の講習会をアドバンストコースと銘打って開催してきた。

 今回は第7回精神科医学会学術集会にあわせ”精神科妊産婦診察のポイント”と題して信州大学医学部附属病院精神科の中村敏範先生にスタンダードコースのご講演を頂いた。前半は妊産婦に対する薬物治療の総論、抗精神病薬、抗うつ薬使用時の留意点に関する講義があり、後半は、具体的な事例を挙げて受講者参加型のクイズ形式となった。精神科医にとっては悩むことの多い妊産婦へ対応等を非常にわかりやすく解説頂いたことをこの場を借りて感謝申し上げる。

 来年度の札幌の学術集会では、精神科医のみでなく、精神科病院勤務のコ・メディカルにも有用な講演の開催を予定している。また、本年度は精神科医対象のアドバンストコース開催を予定しており、詳細が決定次第ご案内させて頂く予定である。是非ともご参加頂きたい。

(学術研修分科会 松井隆明)