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精神科および心療内科領域におけるオンライン診療について

 

令和8年9月29日、日本精神科病院協会は、患者さんの安全を確保するため、精神科・心療内科領域のオンライン診療に関する要望書を上野賢一郎厚生労働大臣に提出しました。山崎學会長と私が出席し、自見はなこ参議院議員にもご同席いただきました。

オンライン診療には、通院が難しい患者さんが医療を受けやすくなるなどの利点があります。一方、当協会には、十分な診察や服薬歴の確認を行わないままの処方、初診時の安易な診断書発行、患者さんの希望を超える薬剤の送付や料金請求など、医療の質や安全に関わる事例が寄せられています。また、症状が急変した際に、地域の医療機関と連携して対応できるかという課題もあります。

精神科医療では、症状だけでなく、これまでの病気や治療、生活状況などを丁寧に把握し、診断や治療方針を判断することが欠かせません。診断書は休業や就労など患者さんの生活にも影響するため、十分な診察に基づいて作成する必要があります。

今回の要望は大きく二つです。一つ目は、保険診療・自由診療を問わず、不適切なオンライン診療の実態把握と監査を行い、問題が確認された場合には、これ以上の被害者を出さないよう、速やかに行政指導を含めた対応を講じることです。二つ目は、患者さんやご家族、医療関係者が相談・情報提供できる窓口を、厚生労働省の責任のもとに一元的に設けることです。

上野大臣からは、厚生労働省としても問題意識を持っており、実態把握と必要な指導を行うこと、既存の相談窓口を分かりやすく周知し、都道府県との連携を進めることなどについて回答がありました。要望書提出後には記者会見を開き、具体的な問題事例と今回の要望の趣旨を説明しました。

当協会が求めているのは、患者さんが安心して適切なオンライン診療を受けられる仕組みです。今回取り上げた事例は個別のものであり、オンライン診療全体の状況を示すものではありません。今後も事実確認と情報収集を進め、患者さんの安全と医療の質を守るため、国に必要な対応を求めてまいります。

(副会長 森 隆夫)

(要望)精神科および心療内科領域におけるオンライン診療について