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6月26日は「国際麻薬乱用撲滅デー」――困っている人には支援を

 6月26日は、国連が定めた「国際麻薬乱用撲滅デー」です。日本では毎年6月20日から7月19日まで、「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」が実施され、薬物乱用防止に向けた啓発が行われています。
 この運動の背景には、国連が提唱した “Yes to Life. No to Drugs.” というメッセージがあります。本来そこには、「人生にイエスを」「命と生活を大切にしよう」という前向きな意味が込められていました。しかし、日本では「ダメ。ゼッタイ。」という強い禁止の言葉が広く定着し、薬物を使用した人や依存症に苦しむ人に対する偏見や孤立を強めてしまう側面も指摘されています。 違法薬物の使用を未然に防ぐ教育や啓発は重要です。しかし、薬物使用の背景には、孤独な薬物使用によって癒やさなければならなかった逆境的体験に苦しんできた姿が多くあります。また、依存症は、依存性薬物の使用を繰り返すことで脳の働きが変化し、自分の意思だけでは使用をやめることが難しくなる疾患です。必要なのは非難ではなく、早期の相談、適切な医療、そして継続的な回復支援です。

 わが国の依存症対策は、近年大きく前進してきました。2013年にアルコール健康障害対策基本法が成立し、2016年にはアルコール健康障害対策推進基本計画が策定されました。さらに2017年度からは厚生労働省の「依存症対策総合支援事業」が開始され、都道府県・政令指定都市における依存症相談拠点、依存症専門医療機関、依存症治療拠点機関の整備が進められてきました。かつては、薬物依存症を治療できる医療機関は限られていましたが、現在では、日本各地において本人に対する専門的治療はもとより、ご家族への支援、多職種連携による地域支援の体制が広がっています。 薬物乱用を防ぐことと、薬物依存症の人を支えることは矛盾しません。大切なのは、正しい予防教育とともに、「一人で悩まないで」「治療と回復の道があります」というメッセージを社会全体に届けることです。

 私たちは、薬物依存症を治療可能な疾患として正しく理解し、本人や家族が偏見なく相談・受診できる社会の実現を目指しています。ご自身やご家族、身近な方の薬物使用で心配なことがあれば、一人で抱え込まず、お近くの相談窓口や専門医療機関へご相談ください。

(広報委員会委員 海野 順)