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令和6年度 老人保健健康増進等事業 「BPSD予防の見地からの専門的な医療のかかわりについての調査研究事業(83番)」報告
認知症治療の専門医療機関(認知症疾患治療病棟あるいは認知症疾患医療センターを有する精神科病院)に対し、BPSD(Behavioral and psychological symptoms of Dementia:認知症の行動・心理症状)による入院への対応、治療へのアンケート調査を実施しました。その結果、入院治療により早期にBPSDは軽減あるいは改善され、多くの認知症の人は在宅へ退院することが明らかになりました。
認知症治療の専門医(認知症臨床専門医)をはじめ、精神保健福祉士、専門看護師、管理栄養士、公認心理師、作業療法士等、多数の認知症治療の専門職員を有しています。看護目標、作業療法計画、栄養指導、そして入院早期より本人、家族、介護関係者等と退院支援委員会を開催し、合同カンファレンスを行っています。専門的薬物療法、精神療法、作業療法等の認知刺激療法を組み合わせ、症状の安定化を図り、安心して入院生活を送れるよう対応しています。専門の精神科医療を提供することで、BPSDの軽減や改善が可能となっていました。早期退院後には在宅や介護施設等へのケアの助言を欠かさず、専門的医療の継続により再入院をしなくてもすむ対応が重要となります。長年培ってきた精神医療の専門知識や知見を地域の医療や介護資源と共有することができれば、認知症の人の地域での暮らしを支える上で大きな役割を果たすことができます。
事業報告書とともに居宅や介護施設での生活支援に役立つ「BPSDの予防のための対応と生活上のヒント集」を作成しました。認知症の人を支える家族、介護事業関連の方々に利用していただければ幸いです。(下記リンク参照)
(常務理事 渕野勝弘)
令和6年度 老人保健健康増進等事業「BPSD予防の見地からの専門的医療のかかわりについての調査研究」はこちらから
「BPSDの予防のための対応と生活上のヒント集」(PDF)はこちらから