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「自殺」呼称の見直しについて(要望)

日精協第13010号
平成25年4月5日

内閣府特命担当大臣
  森 まさこ 殿

政策統括官(共生社会政策担当)兼 自殺対策推進室長
  山崎 史郎 殿

公益社団法人 日本精神科病院協会
会長 山崎 學

「自殺」呼称の見直しについて(要望)

我が国の年間自殺者数は、平成10年に急増して以降、14年連続して3万人を超えて推移しております。幸い、平成24年には27,766人(速報値)と15年ぶりに3万人を下回りました。しかしながら、依然として多くの人が自殺で亡くなっている憂慮すべき現実であることに変わりはありません。

日本精神科病院協会は、これらの事態を重く受け止め、「自殺総合対策専門対応チーム」を立ち上げ、「ゲートキーパー」としての役割を主体的に担ってきたところです。

しかしながら、我々の努力も空しく死を選ばれる方が少なからずおられることも否めない事実です。

また、我々は精神科医療の現場において、大切な人を亡くされたご遺族の方が偏見にさらされ、苦しんでおられることも目の当たりにしてきました。

精神疾患を抱えている人たちへの偏見と長年にわたって闘ってきた当協会としては、自ら命を絶たれた方及びその遺族への偏見をなくすことは我々の使命の一つでもあると認識しているところです。

このため、「他殺」の反対語として、反社会的行為であるというニュアンスを伴う「自殺」表記を改め、「自死」を含めた別の呼称へ変えていくことを当協会として広く世間に訴えることにいたしました。

つきましては、国におきましても、貴職の所管部署をはじめとして関係各省庁において「自殺」呼称を見直し、「自死」を含めた別の呼称へ改めるよう、要望いたしますので、特段の御配意を賜りますよう、お願い申し上げます。