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編集後記「編集長から」の記事について(抗議文)

日精協発第12103号
平成24年8月3日

株式会社プレジデント社
 代表取締役社長 長 坂 嘉 昭 様

公益社団法人 日本精神科病院協会
会 長  山 崎  學

編集後記「編集長から」の記事について(抗議文)

 
 本協会は、昭和24年発足の医療法人形態が主体の民間精神科病院1208病院(平成24年8月現在)が加入している、我が国において精神医療福祉サービ スを提供する最大の団体であり、長年にわたって、精神疾患を有する患者の治療と社会復帰を進めてきた公益社団法人であります。この立場から、貴社発行の雑誌『プレジデント』2012年7月16日号の編集長鈴木勝彦氏の編集後記「編集長から」の発言は、真摯に社会復帰を願っている患者に対する冒涜であり、本協会としても断じて許すことのできないものであります。
 
 編集後記には、鈴木編集長の無知と偏見に満ちた発言が述べられていますが、特に、「厚労省は、精神障害者の企業に義務づける方針を固めた」という朝日新聞の記事を「にわかには信じ難い報道でした。」と述べ、「幻覚を見て、何を言っているかわからない人と一緒にどうやって仕事をするのでしょう。異常とは何なのかわからなくなってきます。」という文言は、精神障害者に対する偏見に満ちた無知蒙昧の極みの発言であり、国民の世論形成に社会的責務を負っているマスコミの発言として余りに無責任な発言であると言わざるを得ません。
 
 精神障害者の雇用は、2012年6月1日現在で従業員規模56人以上の民間企業で実雇用率に算定されている精神障害者保健福祉手帳所持者は、実人数で1 万1千人を越えており、ハローワーク障害者相談窓口の精神障害者の紹介就職件数は、2010年度で1万4千人件を超え、知的障害者の就職件数を上回っております。このように精神障害者の雇用促進は着実に拡大し、社会復帰の道が大きく開かれつつあります。
 
 このような背景下にあって、鈴木勝彦氏の発言は、時代錯誤も甚だしいうえに、精神障害者の社会復帰の道を閉ざし、精神障害者を路頭に迷わせかねない暴言であります。
 
 ついては、本協会は、精神障害者に対する偏見を助長するこのような鈴木編集長の暴言を認可掲載した貴社に対して、断固抗議するとともに、雑誌『プレジデント』誌上及び貴社ホームページ等にて、記事の訂正と謝罪の掲載を早急に行うよう、要請します。

 

 
>> 株式会社プレジデント社からの謝罪状/H24.8.7 (PDF)