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平成22年度診療報酬改定について(要望) -日病協-

2010/02/03

日本病院団体協議会

国立大学附属病院長会議
独立行政法人国立病院機構
全国公私病院連盟
社団法人全国自治体病院協議会
社団法人全日本病院協会
社団法人日本医療法人協会
社団法人日本私立医科大学協会
社団法人日本精神科病院協会
社団法人日本病院会
日本慢性期医療協会
独立行政法人労働者健康福祉機構

日本病院団体協議会は、平成22年度診療報酬改定に向け、21年度に3回の要望書を提出してまいりました。多岐にわたる要望をしましたが、最も重要視してきた要望項目は下記の2点です。

  • 入院基本料の増額と根拠に基づく算定方式の創設
  • 7:1、10:1入院基本料算定病棟における看護補助加算の新設と看護基準の運用変更

現在、急性期医療を中心として、医師不足・看護師不足、さらに経営の悪化を背景に、医療崩壊が進んでいます。急性期の医師の燃え尽き退職、救急患者のたらい回しなど、医療の環境は日々悪化をたどっており、早急なてこ入れが必要な状況です。
 
その対策としては、病院、特に入院医療の診療報酬を手厚くすることが最も必要な事項と考え、入院基本料の増額を要望しました。
 
また、全国的に看護師不足が蔓延しており、療養上の世話の一部を担い、少しでも看護業務を軽減するため、看護補助加算の必要性を述べた上で、要望しました。さらに、現行の看護師配置基準は、多くの病院から運用の困難さが指摘されており、運用変更も要望しました。
 
今回発表された改定の骨子だけでは、その内容が明確になっておらず、現時点で評価を申し上げることは難しい状況です。しかし、ひとつ言える事は、民主党の マニフェストや首相の所信表明演説に示された、医療費、特に病院医療費の大幅な増額については、平成22年度改定では実現しなかった、と言うことです。
 
産科・小児科・外科・救急など急性期医療中心に診療報酬増が行われることは、喜ばしいことではありますが、僅かな財源でどこまで有効な改定ができるのか、これで医療崩壊を食い止めることができるのか・・・甚だ疑問を感じざるを得ません。
 
 
日本病院団体協議会の使命は、国民の安心と納得が得られる医療を提供すべく、医療の質の向上と地域医療の充実を達成すること、と考えております。そのため には、OECD諸国の平均的な対GDP医療費の確保は、絶対必要です。また、現在の診療報酬体系は、過去の体系を細かく改定し続けたために、本来あるべき 体系から離れてしまい、医療機関はこの体系に合わさざるを得ない状況になっています。
 
 
今後の診療報酬のあり方を考えると、根拠に基づく診療報酬の算定方式の創設、そしてあるべき医療提供体制の構築が最も重要と考えます。このような視点に立った社会保障審議会や中央社会保険医療協議会、そして実務を担う分科会の体系整備を強く要望いたします。

以上

●OECD諸国の2007年医療費対GDP比 (PDF)