設立の趣旨

昭和20年、終戦当時の日本では物資の欠乏、社会秩序の混乱など目を覆う状況の中で、人々は未来への希望を失い、その日その日を過ごすのがやっとでした。ましてや、自ら生きる力を持つことができず、社会的にも蔑視の対象でしかなかった精神障害者の医療や処遇の問題は放置されているに等しい状況でした。

このような中、近代精神科医療のあるべき姿を明確にし、日本国民の精神保健の向上と精神疾患を持つ人への適切な医療・福祉の提供、精神障害者の人権の擁護と社会復帰の促進を図ることを目的として、昭和24年、私立の精神科病院を中心として日本精神病院協会が設立されました。

翌昭和25年には、日本で初めての精神障害者の医療主義が盛りこまれた精神衛生法が成立しています。協会の設立は、日本の近代精神科医療を興す大きな引き金にもなりました。

その後、昭和29年に社団法人登記、平成13年には日本精神科病院協会に改称し、協会は大きく発展を遂げました。現在では、会員病院の精神病床総数も全国の85パーセント以上を占めるに至っています。日本精神科病院協会はこれまでに、精神科医療の発展、精神障害者の人権の擁護と社会復帰の促進、国民の精神保健・医療福祉の向上などについて、広く日本国民へ普及啓発活動を精力的に行うと同時に、厚生行政への積極的な提言を行い、精神保健福祉法や精神保健福祉士の国家資格化など、関係法規の成立・改正に尽力してきました。

そして創立から60年余り経た平成24年4月1日、日本精神科病院協会は社団法人から公益社団法人に移行しました。公益法人として、「精神保健医療福祉に関する調査研究及び資料収集」「精神保健医療福祉従事者の人材育成及び教育研修」「精神保健医療福祉に関する普及及び啓発」を三本柱とした活動を積極的に行っています。

日本精神科病院協会は、これからも精神科医療を通して社会の発展に大きな貢献をしたいと願っています。

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