公認心理師試験受験資格 
Bルート(大学+実務経験)を中心に

平成30年9月9日に第1回公認心理師試験が実施されました。この試験を経て、心理職にとって60年近くの念願であった国家資格「公認心理師」が誕生することになります。これまで、心理職の認定資格は臨床心理士など多くの種類が存在し、それらはすべて民間資格でした。「公認心理師」は活動領域を特定の分野に限定しない名称独占資格で医療・保健、福祉、教育、司法・矯正、産業など広範囲な活動を想定しています。
 
公認心理師法第7条には公認心理試験の受験資格要件が定められています。第7条第1号「Aルート」は4年制大学で定められた科目を履修し、かつ大学院で定められた科目を履修する課程です。今後、新たに公認心理師を目指す者のほとんどはこの課程を歩むことになるでしょう。
第2号「Bルート」は「4年制大学で定められた科目を履修後、省令で定める施設において定められた期間、実務(要支援者のアセスメント、要支援者あるいはその関係者に対する相談・助言・指導)を経験する課程です。」すなわち、大学を卒業後、現場で心理職としての実務を一定期間経験することによって、受験資格を取得できるという課程です。
第3号「Cルート」は第1号及び第2号と同等以上の知識及び技能を有すると認定された者で、具体的には外国の大学あるいは大学院を卒業、修了している者が審査の対象になります。
 
D~Gルートは経過措置で、法施行前に大学あるいは大学院で履修していた者、既に心理職として実務を行っている者が受験するための枠組みが定められています。臨床現場の多くの心理職がGルートの要件である現任者講習会を受講し、猛暑の中、試験の準備をされていることと推察します。Gルートは法施行後5年間の措置となります。
 
さて、BルートとFルートにある「実務経験」ですが、省令で定める施設(認定を受けた施設)において実務を行うことにより受験資格を得ることができます。施設認定を受けるためには、実務経験の実施に関する計画(プログラム)を作成し、文部科学省・厚生労働省の審査を受ける必要があります。プログラムの要件は国の通知(平成29年12月8日)に記載されていますが、指導者・指導体制要件の他、720時間以上の心理に関する支援(実務)、当該施設以外に2つ以上の分野の施設で60時間以上の見学・研修などが求められています。厚生労働省ホームページによれば、平成30年7月時点で認定されているのは法務省の「少年鑑別所及び刑事施設」と最高裁判所の「裁判所職員総合研修所及び家庭裁判所」、および私ども日精協会員病院の「一般財団法人愛成会弘前愛成会病院」の3施設ということです。実務経験の期間は省令では2年間とありますが、上記通知では「標準的には3年間でプログラムを終えることを想定する」と記載されています。
 
医療機関としては臨床現場で求められる知識と実践能力を身につけた心理職を育成することができるという点で、また学生としては何らかの事情で大学院進学が困難な者が働きながら受験資格を得ることができるという点で、この制度は一定の意義を有すると考えられます。一方、2~3年間、資格のない者を雇用し教育・指導するというコスト負担をどう考えるかという現実的な問題も抱えています。日精協会員病院で、Bルートの実施施設として申請を検討される場合には、本制度の詳細、プログラム作成手順等情報提供をしますので、日精協事務局までご連絡をお願いします。
 

(看護・コメディカル委員会 委員 田﨑博一)

 

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