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「改正精神保健福祉法施行(平成26年4月)に関する業務のためのガイドライン」公開

 今回、平成27年4月に「改正精神保健福祉法施行(平成26年4月)に関する業務のためのガイドライン」が公開されました。本ガイドラインは、公益法人日本精神科病院協会(以下、日精協)が受託した、平成26年度厚生労働科学研究補助金障害者総合福祉推進事業「精神保健福祉法改正後の医療保護入院の実態に関する全国調査」の報告書の一貫として作成されたものです。

 全国調査の目的は、平成26年4月の改正精神保健福祉法(以下、改正法)施行後の全国の精神科病院の医療保護入院に係わる実態を把握し、全国の精神科病院等で活用可能な業務に関するガイドラインを作成すること、及び、入院の手続きの在り方等について、施行後3年を目途として見直し規定が設けられたことから、今後の見直しに向けた政策提言を行うことなどでした。

 平成26年9月~同年12月までの期間において実施された全国の精神科病院へのアンケート調査では、市町村長同意による医療保護入院者数は施行前の半数に減っていました。家族等や市 町村長同意に関して、支障を来した多数の事例が報告されています。一方、退院促進のための退院後生活環境相談員の設置、医療保護入院者退院支援委員会の開催、地域援助事業者との関わりなどは、医療保護入院者の退院支援に一定の効果があるとされました。

 ガイドラインは、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課の「医療保護入院における家族等の同意に関する運用の考え方」(平成26年1月24日通知)、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律等の施行に伴うQ&A」(平成26年3月20日通知)、そして、日精協が改正精神保健福祉法施行に伴って作成した「改正精神保健福祉法実務マニュアル(平成26年度版)」(平成26年10月発行)をもとに策定されています。さらに、記載上の注意点を示した各種書式を添付しています。

 実際の臨床現場では、医療保護入院の同意者要件や退院支援に関する戸惑いが多くあります。今回のガイドラインは、私たち精神科医療従事者が、精神障害者の入院手続きの在り方や医療保護入院者の退院促進に関わる時の道標を示したものです。本ガイドラインを利用することにより、入院が必要になった精神障害者の適切な入院手続きと、退院支援の促進に繋がれば、精神科医療の質の向上が図れるものと信じます。

   下記より本文をご覧頂けます。

  改正精神保健福祉法施行(平成26年4月)に関する業務のためのガイドライン

日本精神科病院協会理事 中島公博