平成26年度診療報酬改定要望書 -日病協-

平成25年8月9日

厚生労働省保険局長
木倉敬之殿

日本病院団体協議会 議長 武久 洋三
国立大学附属病院長会議 常置委員会 委員長 宮崎 勝
独立行政法人国立病院機構 理事長 桐野 髙明
一般社団法人全国公私病院連盟 会長 高橋 正彦
公益社団法人全国自治体病院協議会 会長 邉見 公雄
公益社団法人全日本病院協会  会長 西澤 寛俊
一般社団法人日本医療法人協会 会長 日野 頌三
一般社団法人日本私立医科大学協会
病院部会担当業務執行理事 小山 信彌
公益社団法人日本精神科病院協会 会長 山崎 學
一般社団法人日本病院会 会長 堺 常雄
一般社団法人日本慢性期医療協会 会長 武久 洋三
独立行政法人労働者健康福祉機構 理事 加藤 賢朗

平成26年度診療報酬改定要望書

日本病院団体協議会は、平成26年度診療報酬改定に際し、病院医療の質の向上を目的とし て次の項目を要望する。

(基本的要望事項)

1.診療報酬体系・施設基準体系の簡素化
現行の診療報酬体系、施設基準体系は、告示・通知も含めて、極めて複雑であり運用 上非効率であるばかりか、誤解や誤算定を起こしやすい内容となっている。 大幅な簡素化を図り、柔軟な運用を可能とする制度に変更することを要望する。

2.入院基本料の基本的な考え方の変更
現行の入院基本料は、看護配置職員数により格差が付く体系となっており、看護職員 の夜勤配置数や平均夜勤時間上限も定められている。しかし、入院患者の状態(重症者 数、夜間緊急入院数、等)は医療機関や病棟により異なり、一定のものではない。また 一方では、多職種共同によるチーム医療が求められている。 今後は、看護職員数のみではなく、多職種による質の高い、効率的な病棟業務が評価 されることを要望する。

具体的には次のような方法が考えられる。
・各医療機関の責任において、担当医師、夜勤も含む看護職員・看護補助者、医師事 務作業補助者、等の人員配置および薬剤師、医療ソーシャルワーカー、精神保健福 祉士、リハビリテーションスタッフ、管理栄養士、臨床工学技士等、医療職の院内 配置数を定める。
・一定の基準を設け、配置内容により入院基本料を5段階程度に分類する。
・各々の医療機関の提供する医療の内容と診療データの報告を義務化する。

このような方法で、診療内容と人員配置がデータ化されるので、一定期間での内容の 見直し(PDCA)が可能となる。

 

(具体的要望事項)

1.看護基準運用の変更
前述のように、看護職員数により入院基本料が決定される体系は変更されるべきであ るが、仮に存続する場合、
①一般病棟全体で同一の看護基準とし、傾斜配置を認める方式(現行の方式)
②病棟毎に看護基準を選べる方式
の二つの方式より、地域に応じた医療提供が可能となるよう医療機関が選択できるもの とすることを要望する。

2.医療情報の標準化と診療報酬上の評価
医療情報の標準化によるデータ活用の推進は、日本の医療の質向上に貢献する。今後 の医療1青報システムの整備と標準化を促進するため、医療情報標準化指針で示された規 格に含まれた、厚生労働省標準規格に適合した電子カルテ等の医療情報システムを使用 し、標準化されたデータを取り扱う場合、診療報酬上十分な評価が行われることを要望 する。

3.入院患者の他医療機関受診時の減算廃止と受診医療機関での保険請求可能化
多疾患を有する高齢者の増加や、専門医療が高度化している現在、他医療機関受診時 の一般病棟入院基本料減算(30%)や特定入院料減算(70%)は、懲罰的な診療報酬規 則であり、国民の受療する権利を阻害している。このような減算方式の撤廃を要望する。
また、受診他医療機関での保険請求が不可能なことで、手続きが非常に煩雑になると ともに、包括病棟では保険請求すら出来ず全額持ち出しとなっている。従って、受診他 医療機関での保険請求が可能となるよう要望する。

4.医師事務作業補助体制加算の算定範囲拡大
当加算は、現行では主として急性期医療を担う病床が算定可能となっている。しかし、 医師の事務作業が多いのは全医療機関の問題である。さらなる評価とともに、特定機能 病院、療養病床、精神病床、結核病床、感染症病床、等においても算定が可能となる事 を要望する。

5.救急搬送医学管理料の再評価
現在、「夜間休日救急搬送医学管理料」が認められているが、救急対応を必要とする患 者は昼夜を問わず搬送されてくるため、それに応じた人員配置が必要となる。
同管理料が終日算定可能となるよう再評価することを要望する。

6.包括支払病棟における算定可能な除外項目の整理
包括支払病棟(DPC、特定入院料、療養病棟、等)における、算定可能な除外項目にっ いては整合性に欠けるものとなっている(特に精神科特定入院料)。基本的な考え方の整 合性を図り、内容を見直すことを要望する。

7.外来リハビリテーション診療料の算定期間の延長と要件緩和
平成24年度改定で新設された項目であるが、7日もしくは14日が算定限度であり、 また算定要件も厳しいため、実質的に算定困難である。 同診療料を有効に活用するために、算定期間の延長(28日~42日程度)と算定要件の 緩和を要望する。

8.維持的リハビリテーション算定の維持
1か月13単位の算定が認められている維持的リハビリテーションの算定は次回改定 までとされている。しかし、介護保険下の通所リハビリテーションは、現状では質的・ 量的に整備不十分である。
維持的リハビリテーションの算定を引き続き可能とすることを要望する。

9.「専従」の解釈について
診療報酬上「専従」の要件は明らかとはされていないものの、実態として他の業務を 行うことは認められない。しかし、医療機関業務の多様性や効率性から考えて、柔軟な 対応を要望する。

以上

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