日精協が2019年度予算の概算要求に向けて、要望書を提出 ―精神医療の基盤整備に資するために

 去る6月8日、日本精神科病院協会(以下日精協)は厚生労働省に対して2019年度予算の概算要求に向けて、後述する8項目の要望書を提出した。診療報酬が個々の診療行為を評価して支払われるのに対して、政府予算は、精神科医療、障害者福祉の基盤を整備し、継続する体制をつくるものである。

 日精協は、入院患者の早期退院と円滑な社会復帰の実現、増え続ける認知症患者に対する精神科の専門的治療の充実、災害等緊急時における心のケア等の災害精神科医療体制の充実を目標に掲げ、日々の診療活動に励んでいる。また、精神科救急医療、措置入院や触法精神障害者への精神医学的関与等社会的要請に応えるべく対応している。これらを支えるのは、政府の医療政策であり、それを具現化する政府予算である。

【1】精神保健福祉法に基づく業務を社会的に評価し、そのための予算措置の新設、充実を要望する。
・人権に配慮しつつ治療上必要最小限の行動制限を行うことは、精神保健指定医に課せられた重要な専門業務である。この社会的役割を適正に予算的評価を要望する。
・精神科救急医療体制整備事業を評価し、さらに推進すべく予算要望する。

【2】精神障害者の地域移行に関する予算措置を要望する。
・精神障害者について、「住まいの場の整備」や「新たな住まいの場の開発」のための十分な予算確保を要望する。
・障害支援区分について、主治医や訪問調査員に対する研修や適正な認定を実現するための調査研究事業に対する予算措置を要望する。
・地域生活拠点の休日夜間や緊急時の受け入れ態勢を充実させるべく予算の新設を求める。

【3】医療観察法における通院医療費関連予算の大幅な増額を要望する。

【4】認知症施策に関する予算の新設や増額を要望する。
・BPSDを呈する等の重症認知症における専門医療機関の位置づけや役割を明確化し、医療と介護の連携システムを構築すべく予算の新設を要望する。
・認知症疾患医療センターの整備促進と運営事業費の拡充を要望する。

【5】災害対策関係予算の充実を要望する。
・災害時派遣精神医療チーム(DPAT)体制整備事業費の拡充を要望する。
・DPAT事務局事業費予算の拡充と、DPATの所管を医政局に移して、災害担当部局の一元化することを求める。

【6】精神科病院における医療安全に関する予算を要望する。

【7】自立支援医療(精神通院医療)に係る事務手続きについて予算措置を要望する。
・他の医療機関、調剤薬局の支払い状況を確認する等、医療機関の負担が大きくなっていることを補償するべく予算を要望する。

【8】外国人受診者による未払い医療費に対する補償について、要望する。

(常務理事 櫻木章司)

 

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