山崎会長就任あいさつ

 平成29年6月9日に開催された第11回定時社員総会において引き続き通算5期目の会長に御推挙頂き有難うございました。社会保障制度存続の危機が叫ばれているとき、気を引き締めて強力な執行部体制を築いて平成30年の医療介護同時改正を始めとした難問に取り組む覚悟であります。会員諸先生の御協力を宜しくお願いいたします。
 我が国は世界に先駆けて少子高齢化社会を迎えようとしています。我が国の人口は、西暦800年(平安初期)551万人、西暦1280年(鎌倉時代)595万人、西暦1872年(明治5年)3481万人という経過の中で西暦2010年(平成22年)1億2806万人をピークに西暦2080年には8674万人に減少することが予想されています。
 一方で社会保障関係費は高齢化により平成24年28.9兆円、平成26年30.5兆円、平成28年32兆円、平成29年32.5兆円と年々増加しています。また、高齢者の中で平均医療費に対する国庫負担は2014年実績で前期高齢者7.8万円、後期高齢者35.6万円、平均介護費は前期高齢者医1.5万円、後期高齢者14.5万円となり、前期・後期高齢者を比較すると医療保険で約5倍、介護保険で約10倍の給付となっています。高齢化の進展は後期高齢者の急増を意味しています。しかし、こうした高齢者の社会保障費を支える国家の収入は2回にわたる消費税増税延期、正規雇用労働者から非正規雇用労働者への労働環境の変化による所得税の減収・保険料収入の減少で国庫負担を増やして急場をしのいでいると言った現状があります。しかし、この方法では赤字国債を増やすだけでプライマリーバランスを悪化させるだけです。社会保障費の将来予想として2012年と2025年を比較するとGDPは1.27倍、年金1.1倍、医療費1.5倍、介護費2.3倍に増加することが予想されています。社会保障費財源を捻出する手段としては、財源として消費税増税、支出を抑えるための社会保障費全般の見直しによる給付制限、保険料引き上げ、自己負担の引き上げ等によって財政健全化を図らなければ現行の社会保障制度を維持することができません。平成30年の医療・介護報酬改定はこの考え方を基本に行われることが予想されています。人口減少は地域の社会サービス受給者の減少を意味しますし、若い労働力の減少はサービス提供者の減少を意味し、関係施設の生き残りをかけた熾烈な競争が展開されることが予想されます。各会員病院が10年20年先を見据えたビジョンを作成してこの危機を乗り越えて頂きたいと思っています。

 

(会長 山崎 學)

 

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