平成28年度 厚生労働省障害者総合福祉推進事業
老人保健健康増進等事業 報告書公開

日本精神科病院協会では、平成28度厚生労働省障害者総合福祉推進事業「長期入院精神障害者の地域移行に向けた病院の構造改革の推進に関する研究」(20番事業)と「精神科救急医体制の実態把握および措置入院・移送の地域差の要因分析に関する調査研究」(21番事業)、および平成28年度厚生労働省老人保健健康増進等事業「認知症の症状が進んできた段階における医療・介護のあり方に関する調査研究事業」(テーマ番号88)を実施し、報告書を日本精神科病院協会ホームページに公開いたしました。
 

平成28度厚生労働省障害者総合福祉推進事業(20番事業)
「長期入院精神障害者の地域移行に向けた病院の構造改革の推進に関する研究」

 本研究事業では、平成28年診療報酬改正で新設された「地域移行機能強化病棟入院料」の算定に向けた準備を行っている精神科病院を対象に、アンケート調査やヒアリングを実施し、事例研究を行いました。その内容は、中長期の病院運営に関する戦略や「地域移行機能強化病棟入院料」算定への準備過程にわたっており、今後の精神科病院運営における中長期的戦略を明らかにすることができました。さらに研究成果として、「精神科病院の構造改革と病院運営に関わる中長期経営戦略に向けた地域移行機能強化病棟運用ガイドライン」の作成し、精神科病院の運営に関わる中長期戦略策定の具体的事例の周知を図るべくシンポジウムを開催しました。
本ガイドラインは、地域移行機能強化病棟入院料を届け出るにあたっての道すじを示したものであると同時に、中長期的な精神科病院の構造改革を図る視点も盛り込んでいます。このガイドラインを利用することによって、精神科病院における構造改革が促進され、地域において期待されるべき精神科医療の拠点としての病院運営に資することができれば幸いです。

(検討委員会委員長 櫻木章司)

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平成28度厚生労働省障害者総合福祉推進事業(21番事業)
「精神科救急医体制の実態把握および措置入院・移送の地域差の要因分析に関する調査研究」

 本研究事業は、精神科医療の利用者の方々が、病院の診療時間外である夜間・休日に、急な要件で受診が必要となった場合に利用できる「精神科救急医療サービス」に関して、調査や運用の標準的なあり方を示すための取り組みです。「精神科救急医療サービス」は、利用者の方々が地域で暮らすためには必要不可欠な医療リソースであり、今後精神科医療が地域ケアへ大転換されていく中でますます重要性が高まることになります。しかしながら、精神科救急医療の実態は全国的にも地域差があり、取組内容も十分に共有されていません。
 本事業は、こうした現状を踏まえ、全国の精神科救急医療サービスの実態調査により詳細な実態把握を行った上で課題と対策を抽出し、各都道府県において活用できるガイドライン「精神科救急医療体制を整備するための手引き」を作成しました。精神科救急医療の本来の目的である長期在院者の発生予防、地域包括ケア体制の推進を目指す上で有効な指針になるものと考えます。

(検討委員会委員長 杉山直也)

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平成28年度厚生労働省老人保健健康増進等事業(テーマ番号88)
「認知症の症状が進んできた段階における医療・介護のあり方に関する調査研究事業」

本研究事業は、認知症の症状が進んできた段階における医療・介護のあり方について、および、抗認知症薬を含めた薬物療法の適切なあり方等についての報告書を作成し、その報告書には認知症本人ならびにその家族の視点を加えることとし、実施いたしました。
 調査では、重度認知症の入院治療症例数は1004 件、薬剤データ等は入院時と入院後3ヶ月とのデータを合わせると2008 例を集積いたしました。また、聞き取り調査は8病院39 名のご家族からお話を聞くことができ、認知症の症状が進んだ段階の医療と介護について貴重な意見を賜りました。薬剤調査数及び聞き取り調査数ともに当初の目標数を達成しました。
 薬剤調査においては、CDR3の重度認知症患者N=1004 例のうち3か月後の調査では約半数の493 例がすでに退院していました。また、BPSD等の認知症症状の著明な改善結果が得られ、薬物療法の適切なあり方、非薬物療法、入院環境等の環境調整、人間関係調節、疾患教育など臨床現場で施行されているであろう重度認知症へのアプローチが精神科病院、認知症疾患医療センターにおいて有用であることを証明するものと考えられます。
 報告書では認知症疾患医療センター124 か所を紹介しています。
 各種調査の実施には、会員病院と認知症疾患医療センターの皆様方におかれましては、大変お忙しいところにご協力賜り、誠にありがとうございました。

(検討委員会委員長 中川龍治)

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